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ゴッドフィンガー田螺

第3章 ホラ、昨日までの田螺とお別れしよ?

それは、血液の付着したハンカチだった。
乾いてはいるものの、染みの広がり具合からして相当なもの……



やっぱりここの姉ちゃんが……まさか俺が犯し人ということを知って引き止めた……?
うわっ……なんか全身の毛穴がぶわってなっとーよ……



ガチャ



俺の前のドアが開かれた。



「田螺君?ジュースが、ポンジュースしかないんだけどいい……?って……あれ、そのハンカチ……」


ポンジュースを脇に抱きかかえ、コップを2つ持ってきた姉ちゃんは、俺の摘んでいるハンカチを見た。
そして、持ってきた物を机に置き、着ていたジーパンのポケットを捜した。



「それ、私のだよね?」



俺は、無言で頷いた。



「……返して貰っていいかな?」



姉ちゃんは、ニコリと笑い俺の方に手を差し出した。
これが無言の圧力というものか……
だが、ここで押しつぶされたら……田螺が廃る!!!



「この血……なんだよ……」



「……関係ないでしょ?ねぇ……返して……すぐに洗わないと……」



姉ちゃんのこの反応……間違いねぇ……黒だっ!!!
心が痛むが……ちょっとこっからの俺は荒っぽくなるぜぇ!!!



「誰の血だよ……」



「……え?」



「この血は、誰の血だって言ってんだよっ!!!」



俺は、荒々しい口調に変え姉ちゃんを一喝する。喝だ!!!(張本さんボイス)



「……」



「あくまで黙るか……よし、いいだろう……ならば……!」



「分かったよ!!!分かった……言うよ……」



姉ちゃんは、俺が立ち上がったので少し危険を感じたのか手をブンブンと交差させ俺を止めた。



「じゃあ、早く言うがよい」



俺は、ドサッと座り姉ちゃんを睨む。
姉ちゃんは、はぁっと溜め息を吐き呟いた。

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