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ツンデレのお嬢様は幽霊執事に夢中

第2章 悪夢のような現実のはじまり

 本家から呼び出しがかかって、近くで暮らすことになったんだ。

 つまり、呼び戻された。

 きっと今も母が近くに居たら、黴臭い土地だと不平を言っているに違いない......。

 母は――この土地が嫌いだった。いや、この家が嫌いだった。

 だから私を遠ざける為に、自分も遠くへ引っ越した。

 だけど――。母は、あの女は。

 いや、やめておこう。思い出したくもない。早く大学に行かないと。

「ゆうきちゃん?」
「......なんでもないよ、美鈴ちゃん」

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