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ツンデレのお嬢様は幽霊執事に夢中

第2章 悪夢のような現実のはじまり

 ――昔、聞いたことがある。

 桜の木の下には、死体が埋まっている。

 よくある言い伝え、都市伝説の類いだ。だが、それをまるで立証するように――。


 その花々に埋もれるように、枝からぶら下がっている少女が居た。


 息が止まる。世界が止まる。私の目には、最早彼女しか映っていない。

 見てはいけないものだというのに、瞳が釘付けになっていた。

「あ......」

 声を出した瞬間、閉じられていた彼女の目が開く。それと同時に、まるで命があるかのように、彼女の長い黒髪が風に靡いた――。

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