テキストサイズ

ツンデレのお嬢様は幽霊執事に夢中

第2章 悪夢のような現実のはじまり

 ――その言葉を聴いて、私自身も......どこか救われた気がした。

 私は能力としても優秀な訳では無い、宝条家のヒモだ。

 だけど、実際継げるであろう人間は私しか居ない。
どんなに歓迎されてなくても、私は私の存在価値がある。それは胸を張っていいんだって、そう思えた。

「ねぇ、あんた雅って言ったっけ?」
「うん。あんたの名前は?」
「宝条 ゆうき......。

 あのね、私、こんな学校だけどアンタのおかげで楽しくなりそうだわ。

 ちゃんと登校するし、あんたにも会いに来る。話もしようと思う」

「うん」

「だから......ひとつお願いがあるの」

「なんや?」

 多分、なんて言ってくるか、雅は分かっていたと思う。それでもちゃんと聞いてくれた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ