テキストサイズ

ツンデレのお嬢様は幽霊執事に夢中

第2章 悪夢のような現実のはじまり

「ちょ......どうしたのよふたりとも......失礼でしょ」

「――有姫ちゃん......変やと思わへんの?」

 へ? と少し思うも、私は彼女の言葉を聴いた瞬間思い出した。

 私が呼ばれた理由を――。

 分家にも、本家にも......
“霊が見える人間が居ない為......。”

 それなのに彼はこの2人が見えている。それに、彼を最初に見た時私は確かに不気味さを感じた。

 それに......畏怖にも近い恐怖感も......。


「こいつ、生きとらんで......有姫ちゃん」


 ......目を見開いた瞬間、彼は瞳を細め私に笑いかけた。

 それはそれは暗い瞳で。

 ――この世の闇を全て煮込んだような、血のように赤黒い瞳で――。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ