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ツンデレのお嬢様は幽霊執事に夢中

第2章 悪夢のような現実のはじまり

「嗚呼――本当に......。
 変わっているうえに面倒くさいお友達だ」

「うるさい!」

「黙っとけ悪霊! 有姫ちゃんに近付くな!!」

 2人が叫ぶ。私を護ろうと――しかし、その瞬間......。

「五月蝿いのは貴女たちの方ですよ!」

 ――。

 彼がそう告げ、腕を奮った途端、私の目の前から美鈴ちゃんが掻き消えた。

「美鈴......ちゃん?」

「お前...!」

「安心してください。消してはいませんから。ただ――これ以上面倒なことをするのなら、貴女も先程の少女もこの世から消します」

 何これ......。

 あんまりのことに言葉が出ない。雅も雅で、怒りにわなわなと震えているだけだった。力が違いすぎることは、この一瞬で証明された。誰もこの男に手など出せるわけが無い。

「お前......有姫ちゃんになんかしたらぶっ殺すけんな!!」

 雅はそれだけ叫んで掻き消えた。

 完全に私が1人になったところで、彼は私に傅く。

 ――何よこの状況、意味わかんない。

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