テキストサイズ

ツンデレのお嬢様は幽霊執事に夢中

第2章 悪夢のような現実のはじまり

恐怖で声が震え、先程彼を叩いた手も叩いたまま静止したままだった。 

 腕が動かない......。彼の存在が怖くて仕方ない。当たり前だ――。だってこいつ、触れたんだもん......。

 この世に、触れる幽霊なんているの? こんな人間と変わらないくらい見える幽霊いるの?
 ありえない!!

 完全な未知の存在――。それだけこいつの力が強いってことだろうけど......そんなの、日常生活送ってて見ることなんてない!!

「――ハァ......。
 親友だったのでしたら、それはそれは失礼なことをしました」

「ああ、そうでしょうね、だったら!」

「で? だから何ですか?
 親友だから、何ですか? 僕にとってあの子はただの初対面の餓鬼なのですが。
弱いことに変わりありませんよね? 実際僕から貴女が護れましたか? 貴女と同じ歳くらいの人の方が余っ程強そうでしたが」

「............」

 何も言い返せなかった。確かにそうだった。
でも、悔しくてムカついて――手がわなわなと震える。それを見て、彼はもう一度溜息をついた後「無礼は承知の上です」と返す。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ