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ツンデレのお嬢様は幽霊執事に夢中

第3章 過去

 こいつが母親と知り合いだというのなら、遠い昔に死んだわけじゃないだろう。

 ――こいつ幾つだ? 20代だよね?

 もし、もし母と同年代なのだとしたら――。

「十年前......」
「......ぇ?」

 私の口から、枯れたような濁った声が出た。

「十年程前ですよ。それ以上は教える気になれません」

「――!?」

 漸く身体が動いた。やっと身体が動かせる。

 取り敢えず動いたんだからこいつに文句を言おう。回し蹴りでもしてやろうか。

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