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ツンデレのお嬢様は幽霊執事に夢中

第3章 過去

 身体が動かない間に、私の感情は怒りと恐怖で支配されていた。

 何も考えてなんていなかった。唯、睨むように振り向き、脚を振り上げて......。

 ――また、身体が止まった。

「お嬢様。
 ――立場が分かっていないようなので教えておきますが、お嬢様は僕から見て、迚弱い生き物です」

 生き物って何よ、私人間なんですけど。

「貴女の動きなど僕の思いのままだ。そりゃあ、不意をつけば殴れるでしょうし、叩けるかもしれませんが、力を抜けば触れませんので、何の反撃も出来ない」

 ――こいつ......。完全に私を馬鹿にして......。

「余り、僕を嘗めないで頂きたい。
 先程、貴女は充分に分かったのではないですか? 私の力の強さ。私の怨みの強さ。

 貴女のお母様と私に何があったか、なんて、貴女には全く関係のない事だ。踏み込み過ぎると貴女が危ない。


 ――分かりますよね?」

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