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ツンデレのお嬢様は幽霊執事に夢中

第4章 刹那の口付け

「教えてもいいですよ、少しだけ。確かに僕は、貴女のお母様と恋人同士でした」

 ――あ、やっぱりね。

 だけど――凄く嫌な予感がする。お母さんの傍に居なかった事も去ることながら、この人が悪霊だった事がなおのことその嫌な予感を掻き立てている。

 だって悪霊よ? しかも並大抵の悪霊じゃあないのよ? 過去に何があっても可笑しくないでしょ。

 でもまあ踏み込んでしまった以上、黙って聞くことにしよう。

「――血が繋がってないことも分かってました。でも......分家側も本家側も、この関係は好ましく思ってはいませんでした」

 ――え?

「なんで? アンタ力あるのに......。力があるなら、別の血なんて入れるよりずっと跡取りに恵まれ――」

「風習ですよ。宝条家、及び分家の。

 男は跡取りにならない。だから、霊力があって産まれた男は忌み子と言われ嫌われていた。

 そして、誰が思いついたのか。――自然とそうなったか知りませんがこんな風習が出来たんです。

 それは――男子が霊力を授かれば、殺す。というものです」

 ......は?

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