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ツンデレのお嬢様は幽霊執事に夢中

第4章 刹那の口付け

「こ、殺すって......嘘でしょ!? だって人間を殺すって......」

「そうですね。普通に考えれば罪です。ですが、赤子のうちから分かれば、堕胎は出来る。
堕胎出来る月日を超えていても、蹴り落とせば......産むことは出来ない。

 昔であればあるほど、障害のある赤子は殺しやすい」

「でも、赤ちゃんの頃からあるって決まってる訳でもないじゃない」

「そもそも――。
 私達自身を国が認知していなければ、殺人自体は容易に隠せると思いませんか?」

 ――まさか。

「――とある件で、こんな事件が起きたの覚えてます?
 子供しか生活していない家があった。
調べれば母親は出ていっており、そこに居た子供達は全員出生届けを出されていなかった......つまり、その子供たちは国からすれば存在していないものだった」

 ............。

「私達も、同様なんですよ。男児であると解ったその瞬間に、出生届は出されないことが決まります。病院等も使いません。そもそも宝条家なので――医者くらい、どうにでもなる。

 私のような子供はそうして国から隠され、殺される。そういう運命にあるんです」

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