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ヌードモデルの軌跡──詩織の中学生時代

第4章 お尻を讚美するために


まだ恥ずかしかったが、なんとか耐えて乳房をさらした。

ミナコはそのポーズを素早く描いたが、
初めてショーツの線を省略して描いた。

疑似ヌード仕上げのその絵を見せられて、「いやだ」と言ったのは本心ではない。

オールヌードって、どんな気分?
パンツ一枚の差はどれくらいなの?

──いっぱい描いたけど、お尻だけが描けてないのよね、パンツで隠れているから。
──またとないチャンスだから、きれいなお尻を見たいな。

ミナコの言葉は魔法のようだった。

私は、ごく自然にショーツに手をかけ、おろした。

しまった。
中学生なのに、パンツ脱いじゃった。

しかし、不思議なことにさっきの四つんばいのときのような羞恥心は起きなかった。

ショーツを完全に抜き去ってしまってからも膝立ちポーズを維持している私を、
ミナコは後ろから見つめている。

まさか、本当に見るだけ?

恥ずかしさを覚える直前、鉛筆が動く音がした。
私は説明しにくい嬉しさを感じた。

全裸で直立する後ろ姿をあと一枚だけ描かれて、デッサンは終了した。

もとの制服姿になってリビングに移った。
モデル料がわりに夕食をご馳走になるためだ。

ミナコの母親は美人で優しそうだった。料理も上手だった。

ただ、
「パンツも脱いだ?」
とズバリ訊かれて、私は返事に困った。
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