sweet poison【BL】
第4章 生き残った者の未来
そして次に眼が覚めた時、陽一は病室の中にいた。
不安そうな表情を浮かべる両親が側にいて、眼を開けた陽一に泣いて喜んでいた。
しかし陽一の体はしばらく動かず、言葉すら出てこなかった。
その間、両親はずっと側にいて看病をしてくれた。
やがて桜の花が咲く頃、ようやく文字を書くことができた。
それでずっと聞きたかったことを、二人に尋ねた。
『羽月は?』
スケッチブックに黒いマジックで書いた。
すると二人は一気に暗い表情になった。
母親は涙を浮かべて俯き、父親はゆっくりと辛そうに言った。
「羽月くんは…亡くなった」
「っ!」
声にならない声が、のどからもれ出た。
眼を見開き、ブルブルと震えだす息子の両手をしっかりと握り、父親は説明した。
陽一と羽月は二人だけで出かけたが、その後を羽月の父親の者達がつけていた。
その頃には羽月には監視がついていたらしい。
そして空き家に入ってから数時間後、出てこないことを不審に思い、監視者達は窓から様子を見た。
すると部屋の中で倒れている二人を発見した。
慌てて部屋の中に入ると、すでに呼吸を止めていた陽一と、自ら手首を切って大量の血を流している羽月がいた。
二人はすぐに地元の病院に運ばれたものの、羽月は失血死で亡くなったのだという。
遺体はすぐに羽月の父親が引き取りにきた。
その間、陽一は意識不明で生死の境を彷徨っていたのだ。
「陽一、引っ越さないか?」
父はあえて明るい声で言った。
「あの街から離れよう」
不安そうな表情を浮かべる両親が側にいて、眼を開けた陽一に泣いて喜んでいた。
しかし陽一の体はしばらく動かず、言葉すら出てこなかった。
その間、両親はずっと側にいて看病をしてくれた。
やがて桜の花が咲く頃、ようやく文字を書くことができた。
それでずっと聞きたかったことを、二人に尋ねた。
『羽月は?』
スケッチブックに黒いマジックで書いた。
すると二人は一気に暗い表情になった。
母親は涙を浮かべて俯き、父親はゆっくりと辛そうに言った。
「羽月くんは…亡くなった」
「っ!」
声にならない声が、のどからもれ出た。
眼を見開き、ブルブルと震えだす息子の両手をしっかりと握り、父親は説明した。
陽一と羽月は二人だけで出かけたが、その後を羽月の父親の者達がつけていた。
その頃には羽月には監視がついていたらしい。
そして空き家に入ってから数時間後、出てこないことを不審に思い、監視者達は窓から様子を見た。
すると部屋の中で倒れている二人を発見した。
慌てて部屋の中に入ると、すでに呼吸を止めていた陽一と、自ら手首を切って大量の血を流している羽月がいた。
二人はすぐに地元の病院に運ばれたものの、羽月は失血死で亡くなったのだという。
遺体はすぐに羽月の父親が引き取りにきた。
その間、陽一は意識不明で生死の境を彷徨っていたのだ。
「陽一、引っ越さないか?」
父はあえて明るい声で言った。
「あの街から離れよう」