sweet poison【BL】
第1章 茜陽一の仕事
「ええ。向こうの知り合いに調査を依頼してみたところ、怪しい部分が出るわ出るわで、どうしようか困っているんですよ」
水野の言う怪しい部分とは、まず会社の場所。
東京都内の高級ビルの最上階にあるものの、そこを訪れる人はほとんどいない。
ビルには警備員が何人も配置されており、会社を訪れる約束を交わさないうちは中にも入れてもらえない。
そして会社の従業員も十名と公表されているが、特定できずにいるらしい。
「会社の内情は怪しいものですが、仕事に関して言えば安全です。黒い所などありませんでした」
「でも…正直言って、ウチの商品は彼らにとってそんなに魅力的に見えるんですかね?」
陽一と水野は互いに見つめ合い、数秒後、同時に深く息を吐いた。
「確かにこんな田舎で作っているにしては、良い商品だと胸を張れるでしょう。しかし…ある意味、どこにでもあると言えばそれまでですし」
「珍しい限定品を売っているつもりもないですしねぇ」
陽一の言う通り、ここで作っているのは東京に行けば見つかる物ばかり。
しかし原材料がこの土地で出来ている、という強みはあるが、それがはたして店で売り出して販売実績に繋がるのかは怪しい。
駅やデパートでは、物珍しさで売れるというのが大きい。
それを一つの店として売り出したところで、出る数字は低そうだと、二人は口に出さずに心で思った。
「正直言いまして、この契約は向こうのダメージの方が明らかに大きいです。なのに出してきたんですから、何らかの裏があるのではと思いまして…」
「そうですね。でもウチみたいな会社に詐欺を仕掛けて、意味なんてあるんですか?」
水野の言う怪しい部分とは、まず会社の場所。
東京都内の高級ビルの最上階にあるものの、そこを訪れる人はほとんどいない。
ビルには警備員が何人も配置されており、会社を訪れる約束を交わさないうちは中にも入れてもらえない。
そして会社の従業員も十名と公表されているが、特定できずにいるらしい。
「会社の内情は怪しいものですが、仕事に関して言えば安全です。黒い所などありませんでした」
「でも…正直言って、ウチの商品は彼らにとってそんなに魅力的に見えるんですかね?」
陽一と水野は互いに見つめ合い、数秒後、同時に深く息を吐いた。
「確かにこんな田舎で作っているにしては、良い商品だと胸を張れるでしょう。しかし…ある意味、どこにでもあると言えばそれまでですし」
「珍しい限定品を売っているつもりもないですしねぇ」
陽一の言う通り、ここで作っているのは東京に行けば見つかる物ばかり。
しかし原材料がこの土地で出来ている、という強みはあるが、それがはたして店で売り出して販売実績に繋がるのかは怪しい。
駅やデパートでは、物珍しさで売れるというのが大きい。
それを一つの店として売り出したところで、出る数字は低そうだと、二人は口に出さずに心で思った。
「正直言いまして、この契約は向こうのダメージの方が明らかに大きいです。なのに出してきたんですから、何らかの裏があるのではと思いまして…」
「そうですね。でもウチみたいな会社に詐欺を仕掛けて、意味なんてあるんですか?」