テキストサイズ

異常性愛【BL】

第1章 1

 腰が抜けているのか、身体に力が入らない。あっさりと肩を掴まれ、其の儘押し倒された。

 思考が混濁する。もう充分だろう。充分に恐怖というものは味わった。御願いだからもうこれ以上――私を掻き乱すな。

「離せと言っている!!」

 ............。

 あらん限りの大声を上げた。隣の部屋に聴こえてくれれば良いと。然し――。

 ――私の声は、静かな部屋で反響する様に聴こえただけだった。

「あっ......」

 身体が震える。恐ろしくて仕方ない。其れなら何故此奴は――。

「松本先生......。

 此の部屋、防音効いてるので無駄ですよ」

 ――私の口を塞ぐ必要があった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ