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異常性愛【BL】

第1章 1

「っ! あっ! 辞めろ! 離せ! 離してくれ!」

「どれだけ声を上げても助けは来ない――。どれだけ声を上げても私にしか聴こえない。ねぇ、松本先生、分かります?」

「辞め――」

「貴方の悲鳴も嬌声も恐怖も全て私の物なんですよ! 他の誰にも聴かせるものか!!」

 ――――。

 ――私は間違えたのだろう。選択を。

 何故私は、此奴の嫉妬を掻き立てる様な真似をした。そんな事をしなければ、此奴はこんな事をしなかったのではないか?

 ――後悔してももう襲い。今は唯――。

「松本先生、愛していますよ」

 今は此奴に呑まれる事しか、もう私は出来ない――。


 再び与えられた口付けは深く、私を堕とすのに充分なものだった。

 歪んでいく思考の中、私はまた思う――。無駄だと知っているのに。

 誰か、助けてくれ。そして――。


 ――夢なら覚めてくれ、と。


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