無表情の宇野くんA
第50章 デートとプールと⑤。
宇野くんと五味さんを待っている時、大毛さんが私にある話をしてきました。
それは私にとっては、二年前からずっと気になっていることであり、私が宇野くんにストーカー混じりの付きまとい行為をするようになったきっかけだった。
そう、宇野くんの無表情の理由だ。
それがまた、大毛さんや宇野くんが小学生の頃にいた仲良し五人組でプールに行った時の出来事だったらしい。
大毛さんが言うには、宇野くんには当時、その仲良しグループの中の一人に、好きな女の子がいたという。
その子に告白をした宇野くんは、その子に無残に振られたらしい。
「気持ち悪い」
振られた時のその言葉が宇野くんの心に、深く、深く、深く傷をつけた。
プールの帰りのバスの中、宇野くんはその場にいることがいたたまれなくなって、四人を残して最寄駅から五つほど離れた神社前で降りた。
そこで宇野くんは、子供ながら、いや子供だからこそなのだろう、女の子を少しだけ恨んでしまったらしい。二拍手して、心の片隅で女の子の不幸を望んでしまった。
すると、その望みを神様は叶えた。
女の子含む四人の乗っていたバスは、最寄の駅の手前のバス停で、運転手の不注意で信号を無視して交差点に出てしまった。
大毛さんは左肘、左膝を骨折しただけだったが、不幸にも他の三人は亡くなってしまったらしい。
自分が不幸を望んでしまったから、と宇野くんは思っただろう。
私としては仕方のないことだと思うし、きっと誰だって心にもないことを望んでしまうことがある。しかし宇野くんは責任を感じてしまった。
女の子に、酷い言葉で振られて、その子を含めた友達三人がその日に死んでしまうなんてあったことで、宇野くんは心を壊してしまった。
そう、大毛さんが教えてくれた。
プールで遊び終えて、ご飯を食べて、気がつけば終電がなくなってしまった。
「終電、なくなっちゃったね」
「そんなときめかないその台詞初めて聞いた」
そんなことで、私たちはバスには揺られず、近くのホテルを探した。
それは私にとっては、二年前からずっと気になっていることであり、私が宇野くんにストーカー混じりの付きまとい行為をするようになったきっかけだった。
そう、宇野くんの無表情の理由だ。
それがまた、大毛さんや宇野くんが小学生の頃にいた仲良し五人組でプールに行った時の出来事だったらしい。
大毛さんが言うには、宇野くんには当時、その仲良しグループの中の一人に、好きな女の子がいたという。
その子に告白をした宇野くんは、その子に無残に振られたらしい。
「気持ち悪い」
振られた時のその言葉が宇野くんの心に、深く、深く、深く傷をつけた。
プールの帰りのバスの中、宇野くんはその場にいることがいたたまれなくなって、四人を残して最寄駅から五つほど離れた神社前で降りた。
そこで宇野くんは、子供ながら、いや子供だからこそなのだろう、女の子を少しだけ恨んでしまったらしい。二拍手して、心の片隅で女の子の不幸を望んでしまった。
すると、その望みを神様は叶えた。
女の子含む四人の乗っていたバスは、最寄の駅の手前のバス停で、運転手の不注意で信号を無視して交差点に出てしまった。
大毛さんは左肘、左膝を骨折しただけだったが、不幸にも他の三人は亡くなってしまったらしい。
自分が不幸を望んでしまったから、と宇野くんは思っただろう。
私としては仕方のないことだと思うし、きっと誰だって心にもないことを望んでしまうことがある。しかし宇野くんは責任を感じてしまった。
女の子に、酷い言葉で振られて、その子を含めた友達三人がその日に死んでしまうなんてあったことで、宇野くんは心を壊してしまった。
そう、大毛さんが教えてくれた。
プールで遊び終えて、ご飯を食べて、気がつけば終電がなくなってしまった。
「終電、なくなっちゃったね」
「そんなときめかないその台詞初めて聞いた」
そんなことで、私たちはバスには揺られず、近くのホテルを探した。