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無表情の宇野くんA

第58章 大毛さんと帰り道。

四人でバスに乗っての帰り道。


二、三時間かかるので、そこまで盛り上がらなかった車内のことです。


大毛さんは体がでかいので、一人分の席から少しはみ出る。本当にもうプロレスラーだと思う。


だから隣に座ると三時間ほど窮屈に休めない時間が待っているので、私と宇野くんと五味さんは誰が隣に座るのかという議論をしていた。


五味さんの言い分は、カップルだから隣に座らせて、というものだった。


ごもっとも、それが普通は普通だし、その通りだと思うが、今回は話が違う。隣に座るのは友達だし、宇野くんの親友の大毛さんだ。それは最早もうカップルみたいなものだろう。


よくわからないか。


さておき。


宇野くんの言い分はこうだった。隣に座ると話しかけてくるから嫌だ。


友達じゃないのかよ。

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