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第3章 秘密の音楽室(S×ym)

教室の階まで階段を上がろうとしたら聴こえてきたピアノの音。
この時間は昼休みだから音楽室の鍵はしまってるはずなんやけどな…

本当に興味本位だった。単純にこの時間に聴こえるはずのないピアノの音が聴こえてきたことに……

音楽室の方に足を自然に進めるとやっぱり音が段々と大きく聴こえてきてそれは確実に音楽室から聴こえる音だと言う事を表した。


永瀬『…誰やろ?』


音楽室の前まで来て静かにドアの向こうを覗くと……


永瀬『…っ』


ピアノを弾いてる櫻井先生とその後ろで櫻井先生のピアノを弾く手を微笑ましそうに見つめる山田先生の姿があった………………


永瀬『…なんで櫻井先生?』


櫻井先生は数学の先生で俺らもよく知ってる先生。

けど、音楽の先生は八乙女先生だから普通ならここに居ても可笑しくないのは八乙女先生のはず。

なんで櫻井先生と山田先生がここに?

てか…櫻井先生ピアノとか弾けたんだ………しかも上手い…

あまりにピアノの腕前にそのまま聴き惚れていた。


〜♪……………………


それから少しするとピアノの音がピタリと止まった。
そして山田先生が笑顔で口を開く


山田「流石、櫻井くん」

櫻井「ふふっ、まだまだだよ」

山田「良いなぁ…俺は全く弾けないから羨ましい……」

櫻井「山田もやってみる?」

山田「えっ!無理ですよ!」

櫻井「良いから…………」

山田「あっ…」


櫻井先生の後ろに立っていた山田先生を引っ張るように自分の座っていた椅子に座らせて櫻井先生は山田先生の後ろに立った。
さっきとはまるで真逆の体制?

何をする気なのかと見ていると櫻井先生はそのまま山田先生に覆い被さるような体制をとると流れるような動きで山田先生の手をピアノの鍵盤の上に乗せて自分の手も重ねて置いた。


櫻井「大丈夫。一緒に…ね?」

山田「…はぃ」


〜♪


さっきの櫻井先生が一人で弾いていた時より少しゆっくりめの音でピアノの音色が響きだした。

山田先生は鍵盤の上の自分と櫻井先生の手を目で追っていて櫻井先生はその山田先生の顔を見つめていた

なんと言うか………………愛おしそうな顔で…

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