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青空

第2章 1話

自転車置き場には既にあの顔があった。

「あ、菖チャン。こっちこっち」

「ごめん、待った??」

「ううん。俺も今来たとこ」

「で、何??」

あたしは早く帰りたかった。

確かに顔はカッコイイ、けど。

眠い…。

「俺のこと、知ってます??」

「知らない」

「だよね、俺は西中3年の平尾 雅哉(ヒラオ マサヤ)って言います」

「へー」

「ま、とにかく帰りましょうか??送ります」

「どこに??」

「菖チャンの家まで」

そう言って平尾君はあたしのカバンを自分の自転車のかごに入れた。

「家、どっち??」

「…あっち」

右を指差す。

ちょうどよかった。

今日行くとき雨降ってたから歩いて来たんだよな…。

「俺と同じ方向だ」

そう言ってまた爽やかな笑顔を向けた。
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