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見破られたヌードモデル

第4章 甘い罰

不意に、画家が休憩を宣言した。意外に時間が経っていたようだ。

余談だが、休憩時間のヌードモデルは控え室に戻らず、椅子やソファに寝そべったりすることも多い。ガウンを着ないことも多い。面倒だったりするのだ。

今は、ガウンがないから裸体でいるしかない。

さりげなくキャンバスを見に行くと、ちゃんと私の裸が描いてあった。
しかも、正直言って、とても魅力的に美しく。

醒めた目で見ている、なんて不遜なことを考えていたのだろう。
心の中で謝った。


──君は初めてじゃないだろう。

その時、画家が言った。

──それなのに、初めてのふりをしてるね。

──えっ?
▼▼
昨日の画廊で、ほとんど抵抗なくオファーを受け入れたことから、うすうすわかっていたが、
かなり恥ずかしそうに服を脱いでいく様子を見て確信したそうだ。

なぜなら──
一般女性にヌードを勧めた場合、ほとんどが強い葛藤を克服して承諾するから、アトリエを訪ねてくるときはもはや落ち着いていて、きわめてスムーズに脱衣するという。

もしくは廊下で全て脱ぎ去って、微笑みながらアトリエに入ってくるか。

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