ノーパン喫茶
第16章 四年分のプレゼント
矢野「兄貴、頼む、お金貸して」
結城「…」
矢野が協力を求めたのは兄の結城だった
結城は乃愛の事を知っているし
好意を寄せてる事も
知っている
だから理由を話せば協力してくれる
そう思ったのだ
矢野「今月の29日、乃愛の誕生日なん
だけど俺、金なくて…」
結城「…」
矢野「五千円、三千円でいいから」
結城「別に貸すのは構わないけど、お前
それでいいのか」
矢野「何が?」
結城「好きな子の四年に一度の誕生日を
そのプレゼントを兄貴から借りたお金で
買って、胸張って渡せるのか?」
矢野「それは、だって…」
結城「大事なのは気持ちだよ、気持ちが
こもってるかどうか」
矢野「…」