ひな*恋 ~それは、誰にも言えない秘密の三角関係
第2章 童顔は男に縁もありません!
「はぁい、80円のお返しでーす」
レジ袋に包んだ惣菜をお客さんに渡すと、私は笑顔でお客さんを見送った。
「ありがとうございます。またお越し下さいませ~」
「んまぁ、ヒナちゃん。相変わらず接客が上手ねぇ」
そんな私の背後から声をかけたのは、このデパ地下にある惣菜屋さん“デリカ·popo”に勤める副店長の小山さんだ。
午後からの出勤で来ている惣菜屋さんは、惣菜を作る所から陳列、接客販売まで全部がお仕事。
私だって奥で揚げ物や炒め物をする事はあるけれど、その殆どは接客販売の担当になる事の方が多い。
「ヒナちゃんが来てから、お客さん増えてるのよ?もぉ看板娘ね」
「またそんなぁ//」
勤めている他の従業員はみんな中年のおばちゃんばかり。
そんなわけもあって、若い人が前に出た方がいいと私がレジをする事が多いわけだ。
そしてやっぱり私の童顔のせいで、すっかりおばちゃんには「ヒナちゃん」なんて呼ばれて完全に子ども扱い。
普通28才の社会人に、名前にちゃん付けでなんて呼ばないもんね。