ひな*恋 ~それは、誰にも言えない秘密の三角関係
第2章 童顔は男に縁もありません!
「ただいまー」
21時の閉店と共に勤務を終えた私は、今日もまた余った惣菜を抱えて帰宅した。
「お帰り、雛。
仕事お疲れ様」
そんな私をあたたかく出迎えたのは、私のたった1人の家族であるお母さんだ。
「いつもご飯用意しなくていいって言うけど、何か作ろうか?」
「いらないって。
ほら、今日の残り物もこんなにあるんだよ」
そう言って、お店のレジ袋いっぱいに入ったたくさんの惣菜を目の前の高さまで上げて見せた。
…と言っても目の不自由なお母さんには、何となくしか見えていないんだろうけど。
「毎日似たようなものばかりなんでしょ?
いい加減飽きるんじゃない?
栄養バランスも悪くなりそうだし…」
「大丈夫だって」
実際日飽きもせず、毎日うちの店で惣菜買って食べてる人だっているのに。
それ考えたらタダでもらって帰る私なんて、ずっとマシな生活かもしれないよ。