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ひな*恋 ~それは、誰にも言えない秘密の三角関係

第2章 童顔は男に縁もありません!

「お母さんこそ、ちゃんとご飯食べた?」


「あぁ、お母さんは漬け物と昨日の残り物があったからね」


「昨日の残り物って!
私が持って帰った余り物の惣菜じゃない!」


「わざわざ作る程じゃないからねぇ」


「……………………」




うちのお母さんは先天性の視覚障害を持っていて、同じく視覚障害のお父さんとお見合いして結婚した。


だけど私が中学の時に離婚してしまい、以来兄弟もいない私はお母さんと2人で暮らしている。


そんな視覚障害者であるお母さんが就ける仕事は限られていて、自宅に仕事部屋を設けて指圧師をやっていたのも一昨年までの話。


晩婚だったお母さんも60を過ぎ、私も定職についてる事から今は隠居して年金生活を送っているわけだ。



ちなみに視覚障害と言っても全盲ではなく、本人曰わく「長年の勘」で自炊なんかもこなしてはいる。



そんな視覚障害の両親から生まれた私なのだが、幸い遺伝はしていない。


なので、私はこうして普通の仕事ができるわけなのだ。

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