ひな*恋 ~それは、誰にも言えない秘密の三角関係
第6章 デートの約束なんて初めてですから!
「…ヒナ坊?
お前、何かあったのか?」
「えっ」
彼が帰った後、お客さんも引いたので厨房の方に戻った。
すると、私の顔を見た久保店長が不思議そうな顔でそう訊いてきたのだ。
「お前、凄い顔が緩んでるぞ?
何がそんなに楽しいんだ?」
か 顔が緩んでる!?
言われてみれば、確かにほっぺたの辺りが上がってる気もしなくもない。
それってつまり、ニヤケてるって奴?
「やだ久保店長。
このぐらいの若い子ってのはね、箸が転がっても楽しいものなのよ」
そんな中、副店長の小山さんが私の代わりにそう答えた。
「箸が転がったくらいでそんなに楽しいか?」
「楽しいわよぉ!
若い子ってのは、何やってても楽しくて仕方ないんだから。
ねぇ、ヒナちゃん?」
「あ…はは…」
代弁してくれるのは有り難いんですが、小山さん?
箸が転がっても楽しいのは、10代の女の子の事じゃありませんっけ?
私、アラサーですよっ
アラウンド30なんですよーっ!