ひな*恋 ~それは、誰にも言えない秘密の三角関係
第7章 ファーストフードなんて10年振りです!
「……………遅い…」
待ち合わせの本屋さんの前に立って、既に11時を20分も経過している。
もしかして中で立ち読みしてるのかなと、何度も店の中をグルグルと回ってみたけどアイツの姿はなかった。
約束の時間も場所も間違いはないハズだし、まさかアイツに何かあったとか…………?
「ごめーん、ひなっ
寝坊しちゃった」
「…………!」
…なんて心配も取り越し苦労だったようで。
アイツは悪びれた様子もなけりゃ、堂々と寝坊とか言って私の前にやって来たわけだ。
「…何時に起きたんですか?」
「ん?ついさっきだよ」
「………………」
最近の高校生は学校が休みなだけで、11時過ぎまで寝ちゃうもんなのかしら。
だけど言ってる通り、まるで起きてそのまま来たかのような乱れた茶髪に、着替えはしたの?って思うくらいのユルいTシャツに膝までの短パン。
今時のファッションだってよく知らない私だけど、最近の若い子はみんなこんなラフな感じなのかなぁ。
ま、全然オシャレなんてできてない私の事を考えれば、逆にちょうどいいのかもしれないけどね。