
【参加型小説・連鎖の尻尾】
第5章 足跡と臆病な助手
「――――か、可愛い…」
「へぇ~…煌太はこう言うのがタイプかぁ~」
写真を見た煌太は“ミスコン美女”にまんまと目を奪われる。
それを横で見ていた白馬は茶化すようにもう一枚の写真を見せる。
「――――え?なに?この…一重の――――…もっさり田舎娘…」
もう一枚写真は“熊田 千秋”とは正反対の容姿の田舎っ娘にテンションが上がっていた煌太はガッカリする。
「うわ、自分も高校まで似たような田舎男子だったのに…言うねぇ~!
ま、もともと顔の作りが良かったお前はチョチョ~っと服装変えただけで明るい都会青年になったからよかったけどなぁ~!
元が純粋田舎っ娘にしてみたら…変身は容易じゃないってことだよ――――…」
「は?」
一昨年まで、少し田舎の地味男子だった自分が上京したての娘に“田舎っ娘”と言ってしまうほど…都会に染まったんだなぁ…と、ちょっと自分の愚かさに気づかされた煌太はもう一度、田舎っ娘の写真をまじまじと見た。
