【参加型小説・連鎖の尻尾】
第3章 身近な怪談
その後は、どうやってその川まで行くかと盛り上がった二人だった。
“検索はお勧めしない”“見える人は気を付けろ”と、サイトの管理人が書いていたことなどすっかり頭になかったのは言うまでもない。
そして、川に向かう日があっという間に訪れた。
「よう、準備はいいか?」
煌太のアパートまで車で迎えに来た白馬は準備万端のようだった。
「さすが金持ち――――…新車か?」
「は?金持ってるのは家の両親で俺はバイトしながらそこそこに生きてる普通の大学生だよ!」
そう言いながらも、ピカピカのワンボックスカーはそのセリフと真逆な気がする。
「そうかよ――――…じゃぁ、その普通の大学生はこんな立派な車に乗れるのか?」
すると、白馬は少しどや顔を煌太にみせて、車をポンポンと叩いた。
「兄貴の車を借りてきた!」
「優しい兄貴だな」
多分、無断で借りてきたのだろう「優しいねぇ~」と、苦い顔をした。