【参加型小説・連鎖の尻尾】
第9章 失踪と不思議な力
すると――――客間の襖が開き、善さんが入ってきた。
「やあ、高田さん…すまない、我が家のゴタゴタに巻き込んでしまって…」
申し訳無さそうに席につく善に幹はお茶を入れる。
「遼は…貴方がここに滞在中…変わったことは無かったですか?どんな些細なことでもいいんで…」
「遼の行きそうな場所は…探したんです――――でも、見当たらず修行が嫌になったとか面倒で逃げ出すようなヤツでは…絶対ないので…」
幹は悔しいのか拳を握りしめていた。
「俺も――――彼は…そんなタイプの子ではないと思います。雰囲気も柔らかく…数日だけだったけど…本当に快適に過ごせたのは彼のお世話があったからです」