【参加型小説・連鎖の尻尾】
第10章 抗う力
「遼君!?」
高田は煌太の後ろから遼に近寄ろうと足を進める。
が、煌太が近づけさせまいと腕をつかむ。
「待って高田さん!遼に今近づくのは危険かも!」
遼に何があったかわからない状態でイレギュラーな高田を近づけるのはリスクが高いと思った煌太は必死に高田を押さえる。
「――――…あれ…あ…あ…おい……銅玄(どうげん)…おい!銅玄!」
高田の声に反応した遼だったが、辺りをキョロキョロと見渡す仕草をし始めた。
「?おい――――遼?銅玄…って…誰だ?」
ペガサスは遼を自分に向けると“銅玄”と言う名を聞く。
「俺を――――ここまでつれてきた…奴です…でも――――なんか…ここへ来たとたんに雰囲気が変わって…」
遼は“銅玄”と言う人物を探すのに夢中で…左目に当てていたハンカチを地面に落とした。
「――――!おい!お前――――その目で…大丈夫なのか!?」
白馬が落ちたハンカチを拾うと「いま、救急車呼ぶから!」と慌ててスマホを取り出した。
「目――――…目……そうだ…そうだ…目…」
ハッ、と我に返った遼が左目に手を持っていく!
「ハァハァ…そう――――だ…目を…目を…持って行かれたんだ…拒んだから!!」
遼は菜にかを思い出したのか…震え出した――――。