【参加型小説・連鎖の尻尾】
第10章 抗う力
診察室から出てきたペガサスと善は――――遼の容態を他の奴に説明した。
「――――え?異常なし?」
説明を聞いた四人は、意外な診断結果に目を丸くする。
「あぁ――――…明日…一応CT撮るらしいが…今の所…取られた箇所に出血も炎症も見られず…元から眼球がなかったかのような……そんな感じになっているそうだ…」
「で、でも!生活的にはどうなんですか?両目で見ていたものが…片目になったら…」
今後の事を心配する幹に善が答える。
「大丈夫――――…脳が片目に順応するように操作するんだ…見える範囲は狭まれば不便だと思うが、記憶視野が働き――――…生活に支障はない…そのうち義眼を入れることになりそうだが…」
“義眼”時いて…幹は自分の左目を押さえた。
「修行は続けられますか?俺は…アイツと一緒に…」
肩を落とす幹に善が優しく頭を撫でる。
「大丈夫――――…幹…これからも遼と切磋琢磨して修行に励んでくれ」
「///はっ、はい!」
幹は顔を上げると嬉しそうに善に返事をした。