【参加型小説・連鎖の尻尾】
第10章 抗う力
煌太はスマホを取り出すと小学校の図書室で撮った写真を開いた。
「あ~これこれ、ペガサスさん!善さん…どこら辺ですか?」
煌太は善の前に写真に納めた地図を見せた。
「会合に…この地域の寺が参加していた――――…あった…“静動寺(せいどうじ)”」
「“静動寺”…本当だ…“あの川”の少し上流にある――――…」
地図を覗き混むと、そこには寺の名前と寺の地図記号が写っていた。
「善――――どんな寺だ?」
ペガサスは自分のスマホで“静動寺”を検索しながら善に聞いた。
「――――まぁ、小さな地区の寺の……と言うのが第一印象だな。我が家みたいに修行等を受け入れる規模ではない…地域密着型のお寺だ。檀家は――――年々減っているとそこの住職が嘆いたのを聞いたことがある」
「まぁ、どこの地域の寺も――――…生き残りに必死だからな…」
切実な寺事情が見え隠れする会話に高田が眉を歪ませる。