【参加型小説・連鎖の尻尾】
第11章 銅玄
「ほら、さっき言ってた――――セレブ寺じゃねぇ~の?」
白馬が冗談っぽく帳簿の端をちょんと弾いた。
「なるほど――――…それは、あるかもな」
ペガサスはお返しとばかりに白馬のおでこを指でチョンと弾いた。
「いってぇ~…」
白馬はおでこを押さえて煌太の後ろに隠れた。
「しかし、そんなセレブ寺が――――…今はないって…おかしくないですか?寄付金も多いって…」
白馬を背に隠した煌太がペガサスに疑問を投げ掛けた。
しかも、資料では洪水を止めた“丞洪寺”である…どう考えても今でも続いている“静動寺”よりも大きなお寺のようである。
「そうだなぁ…。度重なる洪水では生き残っているって感じだよなぁ…」
「時代――――でしょうか?」
顎に手を当てて絞り出すように言う住職に皆が「時代?」と、言葉を繰り返してしまった。