【参加型小説・連鎖の尻尾】
第11章 銅玄
「確か――――…洪水がおさまった辺りから…時代が変化して…武士や武家の勢力がどんどん落ちていったような…」
「あ~…なんか、歴史で習った!」
住職の答えに白馬が相づちを打つ。
「徐々に――――寄付が滞りお寺の機能を果たせなくなる…そして、つぶれていく――――って事でしょうか?」
高田も時代の流れで、つぶれていったと考えた。
「まぁ~なぁ…“丞洪寺”は自分達は貰うばかりで…分け与える――――って考えのない寺みたいだ……。ピンチの時に助けてくれる村人や農民――――同業者もいなかったんだろう…」
帳簿を見ると――――…不作の年ですら…寄付をさせていたことが分かる。
しかも、洪水がおさまった翌年の寄付は、予想外に多く寄付をさせられていた。
「よく――――この寺生き残っているっすね!」
白馬が失礼な事をシラッと言うもんだから、住職は笑った。
「本当に、地域の皆様に助けていただき…ここまでやってこれています。
今や――――過疎化の影響で暇な寺ですが…昔から地域に愛されているお寺です。ありがたいことに、学校行事に使っていただいたり、体験学習の一貫で寺にお泊まりっと題して、小学3年生がお坊さん体験をしにくるんですよ」
住職は楽しそうに昨年泊まりに来た小学生たちの楽しそうな笑顔の写真を見せてくてた。