【参加型小説・連鎖の尻尾】
第12章 “丞洪寺”と“古浄流神社”
「ペガサスさん、こっちの方が読みやすいっす!」
白馬は神主のノートの一部を開き指をさす。
「お、ちょうど――――…寺子屋のとこ」
“古浄流神社”の歴史はなかなか長かったが、寺子屋の事に触れていたのは少しだった。
一人の神主がボランティアで村人の子供立ちに読み書きそろばんを教えていた。
「当時は寺子屋の数も少なくて、かなり遠いところの子供がならいに来たそうですよ?それに、武家の次男、三男も――――…」
「え?なんで武家の子供が寺子屋に来るんすか?金持ちは家庭教師がつくのが当たり前って――――…イメージが」
白馬が武家の子が村の神社まで来るのはプライド的にどうなんだ?と、投げ掛ける。
「そうですねえ、昔は長男だけ教養を与えられたんです。お金に余裕があった大きな武家の子は次男まで見るところはあったかもですが――――基本、次男や三男は…手をかけなかったんです」