【参加型小説・連鎖の尻尾】
第12章 “丞洪寺”と“古浄流神社”
「マジっすか…俺は現代で良かったっす!」
兄がいる白馬でも…分け隔てなく大学へ行かせてもらえていることに感謝した。
「寺子屋をやっていたって記録はあるけど――――…来ていた子供たちの名前までは記されてませんね」
「そうですね――――…あっ、でも…多分大昔の子供がいたって証拠はありますよ――――…賢い子がいたのでしょうね…絶対見つからない所にイタズラをしていたんです!」
「イタズラ?」
神主が立ち上がると面白いものを見せますよ――――と、境内に案内する。
すると、祀られている水神様の鏡を取り出した。
「ちょっと、いいっすか?」
「大丈夫です。扱いには慣れてますから」
そう言うと、鏡の裏を見せてくれた――――…。
「ほら、子供の字で――――…いたずら書きが」
良く見るとそこには…
“三友銅望永”
と、小さくではあるが刻まれている。
雑に――――でも、しっかりと掘られていた。
「水神様の鏡に掘れば――――…一生消えないと思ったのか…バレないと思ったのか…当時見つかっていたら酷いお仕置きをされたでしょうね!そんな記述はないし…移動する時にこれを書いた子が名乗り出て発覚したみたいなので――――…」
“三友銅望永”
ペガサスは何度か読み返し――――…ハッと息を飲む。
「これを書いたのは――――…“静動寺”の初代住職…三郎さんでは?」