【参加型小説・連鎖の尻尾】
第12章 “丞洪寺”と“古浄流神社”
「そうです。初代“静動寺”の住職――――三郎様が幼いときに学友と書かれたものだそうです。
ここに移転の際、手伝いに来た時に告白されたそうです」
神主はそう言うと、そのいたずら書きを微笑ましく見つめた。
「あ~…その事がノート詳しく書いてある」
一緒に境内まで来た白馬は手にしていた住職のノートを開く。
「昔の事ですから――――…脚色はされているとは思いますが、歴代の就職の話をまとめると…亡くなった学友との思い出だそうです」
「亡くなった――――学友?」
神主は“三友銅望永”の“銅”の字を指差した。
「“銅”――――…?銅…銅玄?」
ペガサスはその“銅”と言う文字に――――遼に取り付き“あの川”まで連れてきたの坊さんの名だと思った。
「銅――――玄……そう、です――――当時は銅貴(どうき)と言う、武家の三男だったと聞いています。
田舎武家の三男で、寺子屋に次男の銀貴(ぎんき)と通っていたそうでが…銀貴は真面目に通わなかった見たいですね。
銅貴は、頭の回転の早い子で長男や次男よりも賢かったそうです。
しかし――――…所詮…三男――――…いくら賢くても意味のない事、しかも体が弱く貧弱だったため――――…ここにあった“丞洪寺”へ出家を余儀なくされたとか…」
「出家して――――…名乗った名が…“銅玄”…」
ペガサスの言葉に神主はうなずいた。