【参加型小説・連鎖の尻尾】
第14章 邪神の森
白馬が観察していた狐はスッ~っと、三人のそばに来ると…フワッと、人の形になった。
「!き…狐が……人になった――――…お前が…“邪神”なのか?」
目の前でフワッと人の姿になった狐の姿は…着物を着た若い女性の姿をした。
(邪神じゃよ?人の悪意を食い散らかし生きる――――…神とは別のモノじゃ)
女は美しい着物を翻し――――…警戒するな三人のそばまで来ては(クスクス…)と、笑う。
「――――な…なんで…そんな邪神が俺たちを“案内”するっていうんですか?」
綺麗な女の人の姿でフラフラ歩く狐は煌太の質問に口元を隠して答えた。
(飽きた――――…何百も…同じ男を犯して…ワシは刺激が欲しいのじゃ……
他のモノはあの坊主が泣く姿が堪らなく興奮するらしいが――――ワシは…
山を出たいと…思っておったのじゃ)
「山を――――出たい?」
白馬が煌太の通訳の上――――狐と話すと、狐は口元を隠し恥じらうように、煌太を見ていた。
(そう――――…山から見えるあの灯りの場所へと…ワシはいきたい)
そう言うと、狐は目を輝かせクルリと回った。
「――――町に…行きたい?」
(あぁ――――、あの光は炎じゃないのであろう?熱くないのであろう?人々が沢山生活をしておるのじゃろ?ワシも――――…沢山の人と……)
狐は煌太を説得するようにしゃべると、再び口元を隠した。
和装の女性がみせる普通のしぐさだが――――…
白馬は少し違和感を感じた。
「本当に――――“銅玄”さんの場所に連れていってくれますか?」