【参加型小説・連鎖の尻尾】
第14章 邪神の森
(何がしたい――――…だと?
俺は…“邪神”になるんだ――――!黒い魂を集め…取り込み…誰しもが恐れる邪神になるんだ――――邪魔はさせない!
俺はそれができる男だ――――!)
“銀玄”はボロボロの姿で白蛇に向き合うと――――…体にどす黒いオーラを纏い始めた。
(邪神になったら――――…もう、戻れぬのじゃぞ!)
白蛇は首を高くあげると(シャー)と、“銀玄”を威嚇する。
(戻れぬ――――?戻る…どこへじゃ!どこへ戻れると言うのじゃ!
この私を――――この私の力を知ってもなお、長男を家長とした…あの世界へか!?それとも――――…体も弱い…しまいには、男が好きだと言う気持ちが悪い弟の世話をしろと言う世界にか!?)
“銀玄”のどす黒いオーラはどんどん膨らんでいく!
(――――頭もいい…武芸も人より優れていた…しかもこの美貌…私のような者が評価されず――――無能な兄が持ち上げられるなど…あっていいわけがない!
しかも、人として半人前どころか…生きる価値のない弟の世話をしろと…寺に入れられるなど!あり得ない――――!あり得ない!
――――正しく評価されぬ世の中など…滅びてしまえばいい――――!)
“銀玄”の“邪神”への願いは――――歪んだ承認欲求から来たものだった。
長男優先社会だった当時の――――犠牲者…
(銀兄さま――――……)
“銅玄 ”は兄の苦痛を分かっていたのか……再び絶望の色が瞳を覆った。