
【参加型小説・連鎖の尻尾】
第18章 番外編・雰囲気を感じる男
そう言うと、浅沼さんは俺に1枚の紙を差し出した。
「とりあえずお札…これで様子みてみて?」
「お札――――?」
しかし、お札と差し出したそれは…俺には全くお札に見えなかった。
「――――名刺…じゃぁないんですか?これ」
それは、どう見ても浅沼さんの名刺にしか見えず…俺は眉を歪ませた。
「お洒落でしょ?名刺とお札――――一緒にしてみました!」
――――チャラい…本当に霊媒師か!?
「だ…大丈夫なんですか?」
「まぁ、騙されたと思って…枕元にでも置いとけ」
――――う゛…
俺は渋々その名刺兼お札を手に取り、裏表確認した。
「連絡先もそこに書いてあるし、とりあえず用件はそんぐらいか?じゃぁ、何かあったら連絡して――――」
そう言うと、浅沼さんは伝票を取り立ち上がった。
「あっ――――…相談料!と、コーヒー代!」
「いいって、いいって――――…名刺渡しただけだし~、多分…長い付き合いになりそうだから…俺たち」
――――ん?
最後の方は聞き取れなかったが、正味10分も話してはいない訳だから…相談料も何もあったもんじゃないのかも知れない。
