【参加型小説・連鎖の尻尾】
第21章 番外編・事故物件の真相
車を走らせて30分もしないうちに目的のアパートに到着した。
年期のは行った木造二階建てのアパートは…確かに、建て替えを考える時期の物件だと俺は思った。
「訳あり感はんぱねぇ~っすね」
「借りてる人も後二組で、契約満期になるから転居を考えているみたいなんだよなぁ~」
昼間だと言うのにそこだけ暗いイメージなのは…壁が黒く汚いからだと分かる。
「あ、あの人が大家のおじいさん?」
アパートの前でたたずむご老人に気がついた高田さんが先に頭を下げた。
すると、その老人も頭を下げこちらに向かってくる。
「わざわざお越しいただき…ありがとうございました。大家の青戸(あおと)と申します」
「連絡ありがとうございます――――浅沼です」
大家の青戸さんは高田が祓い屋だとおもっていたのか、ペガサスさんが挨拶したことに動揺していた。
「あ~…このこっちの方でしたか…」