【参加型小説・連鎖の尻尾】
第25章 おまけ②奥山心中
「その子も難儀な子でねぇ――――…旦那様が障害者らしくて――――…旦那様も一緒に住み込めないかって!給料は安くてもいいから旦那様と一緒にって――――凄く若いのに旦那様思いのいい子らしいのよ~!」
「今時珍しいですね――――…」
七海は俺にジョッキを渡すと女将さんに頬笑む。
すると、微笑まれた女将さんは年甲斐もなく赤くなると更に喋り出す。
「なんかね~、鈴蘭の女将さんも二人の関係に涙しちゃってねぇ…今はもう、使われていない離れの一軒家を貸してあげてるんだって!
そしたら、その子旦那様のために部屋を自力でバリヤフリーにしたりして……住み込みで働きながら旦那様の介護までしてるって!も~感動よね!」
女将さんは“鈴蘭館”の新しい仲居さんを誉めて俺たちの部屋から出ていった。
「な~るほど……」
「ん?ど~したんすか?」
すると、山に偵察に行っていたカムイと白蛇が帰ってきた。