【参加型小説・連鎖の尻尾】
第2章 チュートリアル
沈んだ!?と、思い少年の沈んだ辺りを見続けていると、再び顔を出すのです。
沈んでない――――と、ホッとしていると、少年はまた、ニヤリと笑い…再びゆっくりと沈む真似をするのです。
心配して様子を見ている私をおちょくっているのか…少年はその変な遊びを何度か繰り返し川下へと泳いで行きました。
その話を会社の同僚に話すと、「おかしくない?そこの川って結構流れが急だよね?一ヶ所に止まって…ましてやアンタを見ながら…何度も出来る遊びなの?って、遊びにしちゃぁ…不気味じゃない?」と、言うのです。
言われてみれば、私のアパートの前にある川は子供が遊びで入るには流れが早く、しかも遊泳禁止とのこと。
私は怖くなりその後川を見ることは無くなり、すぐに引っ越しをしました。
あれから月日は流れましたが…あの少年の何度も沈む姿やニヤリと笑う顔は忘れられません。あれはやっぱり…幽霊だったのでしょうか?』
一気に読んだ煌太は「ふぅ――――」と、深く息を吸い込んだ。
「何度も浮き沈みを繰り返す少年…」
煌太は投稿の内容を思い返し、自分の部屋からは川など見えないが、窓から外を見た。
アパートと川は、どのくらいの距離だったのだろうか…
外を眺めながらじっと自分を見つめる少年の事を考えた。
「――――やっべぇ、怖っ!」
そして、想像しただけで背中がゾクッとした。