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ホントノ私ハ、此処ニイル

第1章 第1話   


 そう、一見すると、真面目で清楚で、こんな世界とは無縁とも思える加賀美くんのような女性が、胸の奥底にもつM性というある種の才能を私のこの手で引き出してやりたいのだ。


 目の前の画面に映る加賀美くんは、どうやら不安でたまらないらしく、扉を手で押したりしているが一向に開く気配はない。

 いつも冷静で、はしゃいだりすることのない彼女が、動揺している姿を見せるだけで、ちょっと胸が高鳴ってくるじゃないか。

 本当なら「やめてください、お願いします」と言わせたいほどに、ただじっと見つめていたいところだけど、そろそろ時間かな。



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