ホントノ私ハ、此処ニイル
第2章 第2話
「いいね?」
わたしが「嫌だ」と言わないことを既にご存知だったかのように、ご主人様は握りしめたわたしの手の甲を舌で舐めてくださいました。
一体、この先わたしはどうなってしまうのか……
そんな恐ろしさを掻き消すほどの喜びが、わたしの全身に震えとなってあらわれました。
涙まで出てしまいそうです。
うなずくしかできないわたしを愛おしむような眼差しで見つめ続けるご主人様。
お願いです。
どうかこの先、その手を離さないでいてください。
こうしてわたしの奴隷としての日々が始まりを告げたのです……
第2話 結 絆
おわり