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ホントノ私ハ、此処ニイル

第3章 第3話


 ようやくロープが自分の願うとおりに動いてくれるとわかって安心したのか、妻の内ももに伝うトロリとした液体は、薄明かりに照らされて静かに光りながら流れ落ちてきた。



 僕の巻き付けた紅紫のロープは、妻の体に怪しげな幾何学模様を作っている。

 なんて、綺麗なんだろう……

 僕は、目隠しした妻を見上げるようにこう言った。


「手、後ろで縛るからね」

「……ぃゃ」

 そう言いながらも、妻は僕に身を預けてくれる。

 従順な愛奴。

 そう、僕の命令は絶対なんだ。


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