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天気師の少年

第5章 さようなら

ふたりの 情事が漏れたのは勿論ヤバいことだが、風海の能力や消えそうになっていることまで漏れてしまっているのかも知れない・・。

ストーカーたちの行動は活発化し、また、数も増えているのか、街を歩いていてもやたらと視線を感じるようになった。

何とか新しい住み処を見つけなければと不動産屋を見て歩いていると第二の襲撃があった。

ふたりが心配したとおり秘密が漏れていたようで、風海が消えてしまう前に何としても捕まえて天気を操る力の秘密を研究しようとする輩たちがなりふり構わずに襲いかかってきたのだ。

風海は男たちの股間を蹴りつぶして応戦したが、体がビリビリとして動くことができなくなった。

「す、スタンガン・・」

「やったぜ、研究をする前にオレにフーミンちゃんを好きにさせてくれるんだよな」

と男が風海に抱きついてきた。体が痺れて払いのける力も出ない。

「じゃあ、オレはレインちゃんだ。つ~かまえた」

と別の男が雨藍を羽交い締めにする。

「やめろ~っ、そのコに手を出すな。オレはどうされてもいい。だから、そのコだけは助けてくれ」

風海は涙を流して懇願した。

「なるほど。我々はこの男さえ手に入ればそれでいい。お前との協力関係はここまでだ。その女をどうするかはお前次第だ」

風海目当ての男たちは雨藍を羽交い締めにしていり男にそう言うと風海を連れていこうとする。

「やめろ、そのコだけは」

「風海~」

風海と雨藍は涙を流して絶叫する。

次の瞬間雨藍を羽交い締めにしている男は突然何者かにぶっとばされた。

そして突然現れた男は次には風海を捕まえている男も盛大にぶっとばした。

「このクズどもが~っ!」

男は凄まじい怒気でストーカーどもを睨見つける。その男は風海にとって見覚えがある顔だった。風海に男の相手をさせようとしたあないかがわしい店のマスターだ。

さっきのスタンガン男が襲いかかってくるが、マスターはスタンガンを蹴り飛ばすと男のど真ん中を握り潰してやった。

落下したスタンガンは砕け散り、ど真ん中を潰された男は涙を流して蹲る。

「オレもかなりのクズだがな、キサマらを見てると自分が少しはマシな人間に思えてくるぜ」

そう言ってさらに2~3人の男を叩きのめすとマスターは風海と雨藍を促して逃げた。 

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