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天気師の少年

第1章 ホームレス始めます

そんなサセ子の裸が見たくないワケもなく、いい体を見て裸を妄想したら若い股間はビンビンに反応してしまっていたのだ。

「いいって、お前なんかとはそういうことはしないんだ」

風海はそう言って慌てて電車の駅に駆け込んでいった。

「なんだよ~っ、チンコそんなに勃ってるくせに。絶対後悔するぞ~っ」とサセ子は駅に駆け込んでいく風海に罵声を送った。

駅に駆け込んでいく風海は気がつくと大粒の涙を流していた。

サセ子みたいな汚い女に勃起してしまった自分が情けない。でも、裸だけは拝んでおけばよかったかな・・なんて思ってしまう自分が情けない。
自分はついにこの街から逃げていくんだ、敗北者として・・。例えサセ子みたいなヤツとカネでヤッたとしたって童貞を卒業して男の燻蒸を手にしたヤツは勝者だ。
でも、自分は敗北者でいい。あんな汚い女じゃなくて好きな人と愛し合いたい。

そんないろんなキモチが入り混じって感情の整理がつかなくて風海は泣きながら電車に乗っていた。

泣きながら風海は眠ってしまい、気がつくと電車は都会に着いていた。

田舎では想像もつかないぐらいの凄い人混みに圧倒される。人はいっぱいだが、各々が自分の理由に従って行動しているので無造作に動いているが、それでもどこか規則正しく動いているようにも見えて人混みというのは不思議なものだと思った。

田舎と違って都会は余計な誘惑が多い。

ブラジャーとかがほぼ丸見えじゃないかというぐらいに無防備な服を着た女、露出している肌色が多すぎるんじゃないかという格好をした女、ローライズでしゃがみ込むからパンティやお尻の割れ目が見えちゃってる女・・童貞の風海は誘惑の渦に飲み込まれそうだった。

女女女ぁ・・もしかしてだけど~、オレのこと誘ってんじゃないの・・もしかしてだけど~、オレとセックスしたいんじゃないの・・女女女ぁとドブロックの歌がごちゃ混ぜになって頭の中にガンガンと流れ続ける。

つい気を抜くとその辺の女に飛びついてしまいそうだ。

そこまで裸に近いんなら見せたいんだろ、遠慮なく見せるがいい、オレが脱がせてやるとか、何で裸を見せたいんだ・・セックスがしたいからだろっ、ぶちこんでやるよとか自分勝手な妄想で女の人たちを貶めて辱しめ続ける。

そんな自分は最低だと思う。
ケダモノだと思う。
ホームレスどころか消えてなくなってしまいたい。


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