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Happiness day

第2章 夏の終わりに想うこと

「潤くん?」

反応のない俺を不思議そうに見る

「ん…」

軽く返事をしてソファーに座った

背後ではカズと相葉くんの楽しそうな会話が再開される

「はぁ…」

今度こそ本当に溜め息が出た

こんな態度取りたくないんだ…

ただカズに何て言ったらいいのかわからない

俺の醜い嫉妬で中学の頃から仲の良い相葉くんと『距離を取ってくれ』なんて言えないし

「素直じゃねぇなぁ」

小さな呟きに顔を上げると
俺の正面に座る翔くんが苦笑いをしている

「……」

「自分の気持ち殺してても良い事ねぇぞ?」

わかった風に言う
翔くんの事だからわかってるんだろうけど…

「だってカッコ悪いだろ?
ヤキモチ妬く男なんて…」

カッコ悪い俺をカズに見せたくない

だから多少の事には目を瞑ってやり過ごしてる

本当なら誰にも触らせたくないんだ
でもそんな事言ってカズに呆れられたくないから

カズは縛られることを嫌いそうだし…

「智くん、俺カッコ悪いんだって」

「え〜、そんなことないよぉ」

向かいあってイチャイチャしだしたふたり

なんだなんだと見ていると

「だってヤキモチ妬きの男はカッコ悪いって松潤が…」

「あっ…」

「松潤はわかってないねぇ…
ヤキモチって適度に妬かれてる方が愛されてる実感が沸くのに」

「実際まだまだってことだろ?
恋人に自分の本心すら晒せないんだから」

「んふっ、だよねぇ
本音でぶつかって貰った方が安心するのに」

本音で?

「でもカズってそういうウザがりそう」

「そう?それって相手次第じゃないの?
少なくとも俺は翔くんにどんなこと言われてもウザいなんて思わないけど?」

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